62.事件簿VOL:3歌舞伎町ボッタクリ事件

新宿歌舞伎町ボッタクリ事件




酒を飲んで事件に遭遇しても、懲りない酒呑みの自分への鎮魂歌

僕が大学生時代に、ホテルでバイトを始めて給料日には、俗に言う盛り場を大手を振って闊歩していたが、二回ほど痛い目にあっている。

非常に思い出深い事件として今でも鮮明に記憶している。
1回目は、'72年の暮れ新宿で友人3人で客引きに誘われるまま店に入り、ビールの小瓶を3本飲んで(精々30分位)乾き物少々、明らかに雰囲気が悪いと察し、チェックしようとしたら、席に着いていたおねえちゃんが料金は八万円です!!とぬかした。

直ぐに、怖そうな黒服のおにいさんがいきなり登場。
「僕達は大学生で、そんな大金は持っていません」と言ったと思うが、おにいさん曰く、「学生のガキがァー!!金も無いのに、歌舞伎町で飲むなんて10年早いゾ!」とかここでは書けないような事を、低音でしかも凄みのある声で、怖い顔で睨みつけ罵声を浴びせてきた。

相手の縄張りで、明らかに形勢不利。素手なら立ち向かう事もできるのだろうが、相手は何を持っているか判らないという不安があった。
「明日、現金を持ってきますから」と云うと「コノやろー!!ふざけるな!!」と威嚇してきた。

これ以上ここに留まりたくないので、「判りました。支払います」と言って自分の財布から八万円を支払った。
「この野郎!!金を持っているじゃないか、嘘を付いたのか・・・・・・・。」凄い剣幕だった。
「嘘を付いた?どっちが、法外な料金を請求しておいてふざけるな!!ボッタクリだゾ!!」と心の中で叫んでいたと思う。(店を出て直行で、歌舞伎町の交番に行ったのだが、不介入と云われた)
この時本当に、高校時代、学生運動に加わって暴れてやればよかったと正直思った。



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